最新の気象情報


災害から身を守るために

命を守るためには「警報の意味を理解し、早めに行動する」ことが何より重要です。

1. まず、今いる場所の危険度を確認

行動の起点は、自分のいる場所の危険度を把握することです。次のサイトを開けば、リアルタイムで状況がわかります。

2. 新しい防災気象情報の体系 (2026年5月下旬から運用)

防災気象情報の体系は、令和8年(2026年)5月下旬に大きく刷新されました。[1]
河川氾濫・大雨・土砂災害・高潮の4分野について、住民の取るべき行動を直感的に示す5段階の警戒レベルに整合する形で発表されるようになりました。

主な変更点は次の3つです。

  • 情報名にレベルの数字が併記される(例:従来の「大雨警報」は「レベル3大雨警報」、「土砂災害警戒情報」は「レベル4土砂災害危険警報」)。
  • レベル4相当として「危険警報」が新設された。「レベル4避難指示の発令等の目安となるレベル4相当の情報として危険警報を運用します」[2]とされ、4分野すべてで運用される。
  • 河川氾濫の特別警報(レベル5氾濫特別警報)が新設された。

なお、後述の暴風警報・暴風特別警報など風に関する情報は警戒レベル相当情報の対象外であり、別の体系で発表されます。

3. 各レベルの重大度 (危険度の高い順に)

レベル5 — 命の危険・直ちに身の安全確保

最も危険な段階で、4分野すべての特別警報(レベル5大雨特別警報・レベル5氾濫特別警報・レベル5土砂災害特別警報・レベル5高潮特別警報)が該当します。

『特別警報』は、警報の発表基準をはるかに超える現象に対して発表されます」[3]とされる、極めて異例の事態を意味します。新設された氾濫特別警報については、「レベル5氾濫特別警報は、洪水予報河川において氾濫が差し迫ったときに発表します」[4]と運用が定められています。

土砂災害については、「土砂キキクルの『黒(災害切迫:警戒レベル5相当)』は、土砂災害により命の危険が迫っているため直ちに身の安全を確保しなければならない状況です」[5]とされ、避難自体が極めて危険となっている可能性があります。

レベル4 — 危険な場所から全員避難

新体系で最も大きな変化があったレベルで、新設された4つの危険警報(レベル4氾濫危険警報・レベル4大雨危険警報・レベル4土砂災害危険警報・レベル4高潮危険警報)が該当します。市町村が避難指示を発令する目安となる情報で、「市町村から警戒レベル4『避難指示』が出た段階です。対象地域の方は全員速やかに危険な場所から避難してください」[6]と位置付けられています。

レベル3 — 高齢者・障害のある方等は避難開始

警報レベル(レベル3大雨警報・レベル3氾濫警報・レベル3土砂災害警報・レベル3高潮警報)が該当します。

警報の意味は「重大な災害が発生するおそれのあるときに警戒を呼びかけて行う予報」[7]とされ、「警報級の現象は、ひとたび発生すると命に危険が及ぶおそれがあります」[8]と注意喚起されています。避難に時間を要する高齢者・障害のある方・乳幼児連れなどは、この段階で避難を開始する必要があります。一般の方も避難の準備を整える段階です。

レベル2 — 避難行動の確認 (ハザードマップ等で)

注意報レベル(レベル2大雨注意報・レベル2氾濫注意報・レベル2土砂災害注意報・レベル2高潮注意報)が該当します。気象状況が悪化し、災害発生のおそれが出てきた段階で、ハザードマップで地域の災害リスクや避難場所、避難経路、避難のタイミングを再確認しておく段階です。

レベル1 — 災害への心構えを高める

最大5日先までの警報級現象の可能性を示す早期注意情報が該当します。災害発生の危険性は低い段階ですが、最新の防災気象情報を確認し、いつでも行動できる心構えを整える段階です。

4. 暴風・台風に関する情報 (警戒レベル対象外)

暴風や強風は、上記の警戒レベル体系とは独立して、次の3段階で発表されます。

  • 強風注意報 — 風による災害が発生するおそれがある段階。
  • 暴風警報 — 風による重大な災害が発生するおそれがある段階。発表基準は地域差があるが、おおむね平均風速20m/s前後。
  • 暴風特別警報 — 数十年に一度の規模の暴風が予想される、最大級の警戒を呼びかける段階。

風速の目安として、「平均風速が15m/s以上になると風に向かって歩けなくなり、転倒する人も出てきます」[9]。20m/sを超えれば屋外行動はほぼ不可能となり、25m/s以上では立っていることもできず、樹木や看板が倒れたり、走行中の車が横転する危険があります。

台風接近時には、暴風警報や暴風特別警報の発表に先立ち、進路や予想最大風速、暴風域の到達時刻が随時更新されます。情報の入手を心がけ、暴風が吹き始める前に対策と移動を済ませることが基本です。

5. 危険を察知したときの行動

5.1 共通の原則

行動原則の出発点は、「『自らの命は自らが守る』との意識を持って、防災気象情報も参考にしながら、適切な避難行動をとるよう心がけましょう」[10]という考え方です。多くの場合、防災気象情報は自治体の避難指示よりも先に発表されるため、自治体の発令を待たず、レベル4相当(危険警報)やレベル3相当(警報)の段階で、自ら判断して行動することが命を守ることにつながります。

避難先の選択については、「川や崖から少しでも離れた、近くの頑丈な建物の上層階に避難するなど、自らの判断でその時点で最善の安全確保行動をとることが重要です」[11]とされ、必ずしも指定避難場所への移動にこだわる必要はありません。

5.2 大雨・浸水時の具体的行動

  • ひざ下の水位を超える前に避難する。 浸水時に歩行できる水位の目安はひざ下までで、それより低くても流れの勢いで動けなくなることがあります。水が流れてきたら高所へ早急に避難してください。
  • 地下からは地上、より高い所へ。 地下室や半地下、地下街、地下通路は短時間で水没する危険があります。冠水の兆候があれば直ちに地上の頑丈な建物の上階へ。
  • アンダーパスや地下通路を通らない。 自動車も歩行者も、冠水時に立ち入れば命に関わります。
  • 垂直避難。 外に出るのが危険なときは、自宅または近隣の頑丈な建物の「2階以上で、斜面や崖から離れた部屋」に避難します。
  • 夜間の就寝位置の工夫。 避難が遅れがちな夜は、平時から斜面と反対側・2階以上の部屋で休むことで生存率が大きく変わります。
  • 集中豪雨時は河川・用水路に近づかない。 様子を見に行って流される事故が毎年発生しています。
  • 車での移動は避ける。 浸水した道路は走行不能になり、エンジン停止後の脱出も困難です。

5.3 暴風・台風時の具体的行動

  • 雨や風が強くなる前に、家屋の補強などの対策をしましょう」[12]とされる通り、対策と移動はすべて風が吹き始める前に完了させます。
  • 暴風が吹いている間の屋外行動は厳禁です。看板・植木鉢・屋根材などの飛来物は致命傷になります。無理な出勤・帰宅は控えてください。
  • 自動車も、横風による横転や飛来物による窓ガラス破損のリスクがあります。
  • 窓には近づかないでください。万一に備え、雨戸やシャッターは早めに閉め、ない場合は飛散防止フィルムやカーテン・厚手のテープなどで備えます。
  • 台風の中心が真上を通過するときは一時的に風が弱まることがありますが(台風の目)、その後逆方向から再び暴風が吹き戻します。完全に通過するまで屋外に出ないでください。

5.4 家族・知人への声かけ

離れて暮らす高齢の家族や、災害情報に触れにくい人には、自分から早めに連絡することが命を守ります。国土交通省「逃げなきゃコール」(https://www.mlit.go.jp/river/risp/policy/33nigecall.html )は、登録した地域の防災情報を本人と家族の双方が受け取り、家族から避難を促せるよう設計された仕組みです。

6. 自己判断のためのツール:キキクル

キキクル(危険度分布)は「自らの地域の危険度の高まりを把握するための情報」[13]とされ、土砂災害・浸水害・洪水害の3種類について、注意(黄)・警戒(赤)・危険(紫)・災害切迫(黒)の5段階に色分けされた危険度を、ほぼリアルタイム(おおむね10分間隔の更新)で地図上から確認できます。お住まいや勤務先の地域を登録しておけば、警戒レベル4相当に達したタイミングでスマートフォンに通知を送ってくれる民間プッシュサービスもあり、夜間の急な悪化への備えとして有効です。

避難指示等が発令されていなくても、警戒レベル4や警戒レベル3に相当する防災気象情報が発表された際には、キキクルや河川の水位情報等を用いて自ら避難の判断をしてください」[14]とされています。

7. 日頃の備え

7.1 ハザードマップで地域のリスクを確認

土砂災害や浸水の被災想定区域、避難場所と避難経路を、平時に確認しておきます。

特に注意が必要な場所:

  • 低地帯 — 大雨で冠水しやすく、側溝の境界が見えなくなる危険があります。
  • 地下室・半地下・地下街 — 短時間で浸水し、避難が極めて困難になります。
  • 河川・用水路の付近 — 氾濫の危険があるため、増水時は近寄らないこと。
  • 山間部・急傾斜地・渓流付近 — 土砂災害に注意。前兆現象(湧き水の濁り、小石の落下、地鳴り、亀裂)を感じたら直ちに避難。
  • 海岸付近 — 台風接近時は高潮・高波の危険があります。

7.2 食料・水などの備蓄

ライフラインの停止に備え、最低3日分(可能であれば7日分)を確保します。

  • 飲料水(1人1日3リットルが目安、3日分で1人9リットル)
  • 非常食(アルファ米、レトルト食品、缶詰、ビスケット、乾パン、板チョコなど)
  • カセットコンロとガスボンベ
  • トイレットペーパー、ティッシュペーパー、簡易トイレ
  • マッチ・ろうそく・ライター

7.3 非常用持ち出し袋

非常時に持ち出す品は、リュックサックに詰めていつでも背負える状態にしておきます。「非常時に持ち出すべきものをあらかじめリュックサックに詰めておき、いつでもすぐに持ち出せるようにしておきましょう」[15]と推奨されています。リュック自体については、「非常用持ち出し袋は、両手が自由に使える、かつ、地震時に発生する可能性がある火災を想定して、難燃性のリュックタイプを選びましょう」[16]という指針もあります。

  • 飲料水、食料品(カップめん、缶詰、ビスケット、チョコレートなど)
  • 貴重品(預金通帳、印鑑、現金、健康保険証など)
  • 救急用品(ばんそうこう、包帯、消毒液、常備薬、お薬手帳)
  • ヘルメット、防災ずきん、マスク、軍手
  • 懐中電灯、携帯ラジオ、予備電池、モバイルバッテリー
  • 衣類、下着、毛布、タオル
  • 洗面用具、使い捨てカイロ、ウェットティッシュ、携帯トイレ
  • 乳幼児がいる家庭は、ミルク・紙おむつ・ほ乳びんなど

7.4 大切な書類の防水保管

紙の証書類は、ファスナー付きビニールケースなどに入れておくと持ち出しやすく、防水にもなります。

  • 家族の写真・連絡先メモ
  • 預金通帳・印鑑
  • 運転免許証・マイナンバーカードのコピー
  • 健康保険証のコピー
  • お薬手帳
  • 年金手帳
  • 各種保険証券のコピー

7.5 家屋の対策(大雨向け)

  • 雨水ますや側溝の清掃を定期的に行い、雨水が流れやすい状態を保つ。
  • 浸水のおそれがある地域では、土のう・水のう・止水板を準備しておく。
  • 地下空間への入り口(住宅の半地下、駐車場スロープ等)には止水板や土のうの設置を検討する。

7.6 家屋の対策(台風・暴風向け)

風が強まる前に、次の点検と対応を済ませます。

  • 窓・雨戸・シャッター — 開閉や施錠の確認。雨戸のない窓は、飛散防止フィルムの貼付やカーテンを閉めておく。
  • 物干し竿・物干しスタンド — 取り外して屋内へ。
  • 植木鉢・ガーデニング用品・自転車 — 飛ばされそうなものは屋内へ。庭木は支柱で固定。
  • プロパンガスボンベ — 固定の確認。
  • テレビアンテナ・屋根瓦・トタン — 緩み・錆び・剥がれの点検。
  • ベランダの排水口 — 詰まりを除去。
  • — 駐車場所の見直し(冠水しやすい低地、倒木・看板落下の危険がある場所を避ける)。

当コンテンツは防災に関する一般論をまとめた参考情報です。内容についてのお問い合わせに回答すること、責任を負うことはできません。あらかじめご了承の上、ご活用ください。


出典一覧

[1] 気象庁 報道発表(令和8年4月14日)「5月29日(金)から、新たな防災気象情報の運用を開始します 情報名称にレベルの数字をつけて発表します」 https://www.jma.go.jp/jma/press/2604/14b/20260414_taikeiseiri.html

[2] 国土交通省 報道発表(令和7年12月16日)「新たな防災気象情報の運用について令和8年の大雨時期から防災気象情報が生まれ変わります」 https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_001337.html

[3] 気象庁「特別警報(全般)について」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq28.html

[4] 気象庁 報道発表(令和7年12月16日)「新たな防災気象情報の運用について」 https://www.jma.go.jp/jma/press/2512/16a/20251216_taikeiseiri.html

[5] 首相官邸「土砂災害から身を守るには」 https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/doshyasaigai.html

[6] 首相官邸「防災気象情報と警戒レベル」 https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/keihou.html

[7] 気象庁「気象警報・注意報の種類」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/warning_kind.html

[8] 気象庁「気象警報・注意報」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/warning.html

[9] 宮古島地方気象台「台風への備え」 https://www.jma-net.go.jp/miyako/topix/typhoon_miyako.html

[10] 政府広報オンライン「『警戒レベル4』で危険な場所から全員避難!」 https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201906/2.html

[11] 気象庁「防災気象情報と警戒レベルとの対応について」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/alertlevel.html

[12] 首相官邸「大雨・台風では、どのような災害が起こるのか」 https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/taifu_ooame.html

[13] 気象庁「キキクル(危険度分布)ってなに?」(リーフレット) https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/kikenndobunnpu/kikenndobunnpu202206.pdf

[14] 気象庁「新たな防災気象情報について(令和8年~)」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/keiho-update2026/index.html

[15] 首相官邸「災害が起きる前にできること」 https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html

[16] 東京都荒川区「いざという時に備えて、非常用持ち出し袋を準備しましょう」 https://www.city.arakawa.tokyo.jp/a013/bousai/sonae/hijouyoumotidashi.html