3つのポイント
- 何があった？ トランプ大統領が日本に対する15％の関税を発動させる大統領令に署名し、7日後に発動されます。
- 経緯は? 4月に一律10％の基本関税を発動後、貿易交渉を行い、日本は7月22日に15％で合意に至りました。
- 今後は? 日銀は関税の経済への影響を慎重に見極めながら、毎回の決定会合で利上げの是非やタイミングを適切に判断していくとしています。
📜 大統領令署名と発動時期
トランプ大統領は日本時間の1日朝、日本を含む約70の貿易相手国や地域への新たな関税措置を発動させる大統領令に署名しました。日本への関税率は15％で、日本時間8月7日午後1時1分に発動します。新たな関税発動は7日後と発表されましたが、銅管や銅の加工品などに対する50％の関税は、日本時間の1日午後1時過ぎから発動します。
💰 日本経済への影響と懸念
日本に課される相互関税15%により、製造業の営業利益は12～18%減少すると試算されています。具体的な影響として：
- 冬のボーナスへの影響が懸念される
- 賃金の伸びが現在の3%台半ばから来年は2.4～2.7%に抑えられる可能性
赤沢大臣は雇用などへの影響の緩和に万全を期す考えを示しました。
🏛️ 日銀の今後の対応
日銀の植田総裁は 「税率という不確実性は若干低下したが、ある程度高い関税がかけられた際の経済への影響がどうなるのかはこれからだ」 と話し、「利上げの是非やタイミングを毎回の決定会合で適切に判断していく」と説明しました。日銀は利上げが遅れて、物価高への対応が後手に回るとの見方には否定的であり、関税の影響を慎重に見極める時間的余裕があるとの立場で、年内の利上げに踏み切るかは流動的です。